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連休直前の気まぐれ 9-1 (仁和寺)

 今年の五月連休は間が無く10連休になる。
混みあう前に京都行こっかな♪
毎度思いつくと勢いTrip
二日前に家人に同行するか訊ねると「お一人でどうぞ」で速攻だった。
デイパックに荷物を詰め込み手慣れたもんだ予約を済し自宅を出た。

嵐電を降りると駅から参道が真っすぐ仁和寺まで延びている。
嵐電   御室仁和寺駅

朝の早い時間、車や人通りは少なく二王門は穏やかに迎えてくれた。
造りは南禅寺や知恩院の三門と比べると、やや女性的な雰囲気を感じる。
門の左右には阿吽の二王像が怪しげな奴と言わんばかりに睨みを利かしている。
二王門  二王像左  二王像右

二王門より望む画像二王門を潜るとその先には広大な境内が広がり、歴史的建造物一つ一つが贅沢な空間を使い配置されている。
真っすぐ僧伽藍に向かうと境内を二分するかの様に伽藍の入口となる中門が建つ。

中門東方天西方天朱の褪せた門の左右には帝釈天の配下四天王のうち、東方天(持国天)と西方天(広目天)が僧伽藍を守るように安置されている。
中門を入るとそこは清浄の域
二王門から中門までの空間とは違う様子をうかがわせている。

画像金堂参道を真っすぐ進むと、正面には本尊の阿弥陀三尊を安置する金堂が低く・広く、翼のように隅棟(すみむね)を広げた美しい姿で建っている。

修復にかわ塗しばらくその場で鑑賞を続けると作業をする方が現れ何やらはじめた。
近くに寄り話しかけると、傷みを防ぐ下作業で「にかわ」を塗っているのだそうだ。
国宝や重要文化財に指定されるものが至る所にあり、維持することは並大抵ではない。

御影堂に向かう途中右に、朱に塗られた鐘楼がある。
構造が珍しく、高欄を周囲に走らせてあり、吊られた鐘は周囲を板で覆われ外から鐘を見ることが出来なかった。御影堂

御影堂は弘法大師像、宇多法皇像、仁和寺第2世性信親王像を安置してあり、質素で素朴な造りだが、ここも傷みがある様で、金堂同様「にかわ」を塗る作業を行っていた。

IMG_2737御影堂を出て、来た道を戻る様に金堂の前を横切り東に向かうと経蔵がある。
釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩など六躯が安置され、内部には八面体の回転式書架(輪蔵)があり、その中には天海版の『一切経』(思想が記された経典)が収められている。
輪蔵を押して回転させることで、輪蔵に収められるすべての経典を読経したのと同じだけの功徳を得られると云われているが、仁和寺の経蔵は回転させることができない構造らしい。

画像経蔵の前にある石段を下り五重塔に向かうと、左奥に神事を行う小ぶりな社殿があった。
九所明神と言い、仁和寺の伽藍を守る社だそうだ。
社殿は本殿・左殿・右殿の三棟あり、八幡三神を本殿に、東側の左殿には賀茂上下・日吉・武答・稲荷を、西側の右殿には松尾・平野・小日吉・木野嶋の計九座の明神が祀られる。

五重塔五重塔は昨年の台風で被害を受け、南側には足場が組まれていた。
塔内部には大日如来とその周りに無量寿如来など四方仏が安置される。

中門から金堂へ向かう参道を横切り観音堂へ向かうが、工事中のため近くに寄る事は出来なかった。
画像観音堂の拝観を楽しみにしていたのだが残念である。
本尊・千手観音菩薩像や二十八部衆像の姿、仏絵師・木村徳応(とくおう)が描いた壁画は写真では見ていて、一度実物を観てみたいと思っていた。

境内のおよそ四分の一を占める御殿は比較的新しい時代に造られているが、南北に造られた庭園は素晴らしい造りの様だ。
観音堂が拝観出来る時期が来たら連れを伴い改めて訪れることにして仁和寺をあとにした。