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ぶらっと京都 エピソード

その1 高台寺でカルチャーショック

実は京都には連れと一緒に訪れていたのだが、互いの興味が違うところで、個々に散策を行っていた。
高台寺に拝観の際に連れがトイレに行ったらしい。
待ち合わせの場所で合流するや否や「さっきトイレに行ったら、並んで扉を開けっ放しで用を足しているのよ、ビックリしたわぁ」と見てはいけないものを見てしまいショックを受けた様だった。
私の知る限りではその様なトイレ習慣は、多分漢字言語の日本海を挟んだ隣国の方だと説明。
しかしその国でも都市圏では近年欧米の習慣に変わって来ている。
過去のバブル崩壊以前だからかれこれ30年ほど前に、日本人の団体旅行客を世界中で「農協さん」と呼ばれる時代があったが、連れはおそらく隣国のその手の観光客に遭遇してしまったのだろう。



その2 高桐院でニューハーフ???

高桐院の拝観を終え唐門から表門に向かう石畳の参道を進むと、小柄でお洒落な身なりの年の頃だと大学生程だろうか、漢字系かハングル系と思われる東洋人男女五人組の二人から声をかけられた。
デジカメを差し出し早口の英語で話しかけられたので、てっきり写真を撮ってくれないかとのリクエストかと思ったのだが、よくよく聞くと一緒に写真に納まって欲しいとの内容だった。
初めての事ではなかったので「誰と」と尋ねるとその中の顔立ちの良いイケメンの男子が自分と一緒にと申し出た。
てっきり女性とだと勝手に思ったので少々意外だったものの、快く承諾して唐門を背景に撮影をしたのだが、交わした言葉が英語とどこの国の人かも聞かなかったので、あの写真は何の目的で撮ったのか後から少々不安になってきた。
そもそも初老の男と見ず知らず初対面で異国の大学生程だろう男子が、一緒に写真に納まるのって何か変ではないか。



その3 錦市場で関オバの脅威

昼食とも夕食とも言えぬ食事を錦市場の中でとった。
京野菜を売りにした“おばんざい”を提供する時間制のバイキングだったのだが、隣に座った関西弁(多分大阪弁)のオバン二人のパワフルなことに驚いた。
先に席に着いたオバン二人はそそくさと席を離れ、大盛でカレーライスと小分けしてpic出来るトレーに、“おばんざい”を持って戻り席に着くや談笑と食事を一気に始めた。
私も小鉢にサラダを盛って席に戻り食事を始めた。
連れと談笑しながら小鉢の野菜が三分の一ほどに成った時、真左のオバンAが「パスタがあったわよ、貴方も持ってくる?」とオバンBに聞き、聞かれたオバンBも動きを止めることなく「お願い」と言いながらスプーンを口に運んでいた。
オバンAが席を離れたこの間、店内のこの一角は急に静かに成った。
オバン二人が席に居た間は食べる動きを止めることなく、ズウ-ツっと会話も途切れず話し続けていたからだ。
席に戻ったオバンAは、両手にバスタを盛った皿を持ってきた。
再び二人のオバンは談笑を始め、目の前に置かれたパスタを口に運び始めた。
連れを見ると目で私に何か語り、私も連れが何を言わんか察して思わず連れと二人で微笑んでしまった。
私も小鉢のサラダを食べ終わり、トレーに“おばんざい”と松茸ご飯を席に持ち帰りメインの食事を始めたのだが、私の真横のオバンAはラジオのボリュームを上げた状態で話しっぱなしだ。
それにしてもこのオバン二人、京野菜に“おばんざい”が売りの店でカレーとパスタは無いだろう、まるで名古屋でモーニングでも食べている様にみえる。

窓越しに見下ろした錦市場の往来の様子や店員の仕草を連れと眺めながら食事を終え、店を出る身支度を始めるとオバンAがオバンBに何か話しかけ三度バイキングに向かった。
支払いをする私たちの脇を“おばんざい”を盛ったトレーを二つ持つオバンAが席に向かう姿と、入れ替わりにオバンBがバイキングに向かう姿を見て店を出た。
あの二人どこまで食事をするのか、四条から烏丸に向かう間、関西オバンのパワフルさで連れとは話がもりあがってしまった。

ふっと思った。 あのオバンと漢字言語の隣国の人達とは妙にダブって見える。
話し方、食事の仕方や行動が似ている様に思うのは波長が合っているのではないかと。
関西オバンを理解出来れば漢字言語の隣国も理解できるのかも・・・と軽く考えてしまった(笑)